症例22
73歳女性。骨密度測定を希望され来院。
腰椎はやや低めだが、大腿骨頸部の骨密度が多い。
腰椎が高く大腿骨頸部が低めよりも良い。
また、この方は「ワーズ」が高い。
「ワーズ」とは、大腿骨頚部は骨の分布が不均一である。もっとも疎らで弱い領域を「ワーズ」または「ワーズ三角」と呼んでいるのである。
50歳以下であると、大腿骨頸部の骨密度とワーズの骨密度には差がない。しかし、50歳を超えるとだんだんワーズが低くなる。
70歳代では、30-40%くらいとなる。
しかし、この方は50%以上をキープしている。
これは骨がしまっていることを意味する。
実はワーズに関しては、定まった学説がない。
その理由は測定者によって異なることがあるからである。
当院は一人のレントゲン技師が測定しているのでそのようなことはない。
故に、私はこの値にも注目して骨粗鬆症を診ている。
ワーズの高い人は、運動を多くしている人が多い。
この方も、中学、高校以来、継続して運動をされている。
また、この方は、体の反りを測定すると35cmと良好である。
また、片足立ちは、52秒起立可能。
握力は右23kg、左20kgと良好。
(握力は70歳を過ぎても平均が20kg以上ある人は長生きをするという報告がある)
これらの身体機能が良いのも、ずっと生涯を通じて運動を続けてきた賜物であろう。
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