2024年4月9日火曜日

17  きちんと食事をしている88歳の女性

 骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


70%以下が骨粗鬆症。70-80%が、骨粗鬆症の手前の骨減少状態。
骨密度は高いとは言えないが、88歳というご年齢を考えると、止むを得ないところもある。





ただ、姿勢は非常に良い方。
また、元気そうなお方である。


この方の食事内容である。
カルシウムは1日に600-800mg
ビタミンD, ビタミンKは、1日に200-300くらい摂れば良いと言われている。
この方は十分食事で摂っておられる。
しっかりと食事されている印象である。
このような方は皆お元気である。

しっかりと運動して、しっかり食事をされている方は、骨密度が多少低くても問題はないと思う。




2021年1月26日火曜日

骨粗鬆症 当院ではこう診る 16 何も運動しなくても身体能力の良い60代女性の場合

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層雲峡 黒岳展望台から  

今日のケースは60代後半患者さん。

58歳の女性の方です。

(以下の数字は個人を特定されないよう若干変えています)

骨密度

骨密度の結果は下図。





 腰は少ないですが、大腿骨頸部はある程度骨密度があります。

身体能力を測定しました。
 当院では、患者さんの食事、運動、また、体の身体機能も見て、総合的に治療を組み立てております。

握力
 右 22kg  左21kg でした。

まず、握力はけっこうある方。このブログでもいつも述べていますが、70歳になった時に両方の握力の平均が20kg以上ある方は長生きする傾向があります。そのような調査があります。
 この方は現在58歳ですから、70歳まではまだまだ間がありますが、維持するように日々運動を頑張って欲しいものです。

体の反り 背筋力


 体の反り 37 cm

背筋力は良い値です。
 この方は、運動はあまりされていない。いや、意識しては今までやっていなかったとのこと。50歳の頃から健康を意識して、散歩を少々しているとことのです。
 それにもかかわらず、体の筋力が充実していて、身体能力も高いです。
 生まれ持ったもの、と思います。
 骨密度も身体能力も生まれ持ったもの、というのは、かなり影響しているように思えます。

レントゲン写真

レントゲン写真をお示しします




レントゲンでも骨密度はある程度わかります。
骨密度が高くてもレントゲンで、「これはどうかな」という方もいらっしゃいます。
この方は特に問題はありません。
 胸椎の写真で、背骨がすっきりと伸びているのが印象的です。
 背筋力が強いと、「腰が曲がる」といういわゆる、「円背」を防ぐことができます。

食事

次に、食事のチェックも行いました。


この方の1日の摂取量
カルシウム 458mg(基準 600-800 mg)
ビタミンD 149 IU (基準 300 IU以上)IU : 国際単位
ビタミンK 839μg (基準 200-300μg以上)

 食事に関しては実はいろいろ専門家の間でも意見が分かれています。
 カルシウムをたくさん摂っている人と、あまり摂っていない人の間で骨密度を比べた研究はたくさんありますが、結果は様々です。
 つまり、たくさん摂っているからと言って、骨密度が高く、あまり摂っていないと、「ショボーン」という単純なものではありません。
 その理由としては:
 食事をしても、それが骨になるまでには、長い道のりがあります。
 また、カルシウムにしてもからだのあちこちで、重要な働きをしています。
 もうひとつの理由としては、どのくらいカルシウムを摂っているのか、ビタミンDは、ビタミンKは、というこのようなアンケート調査の方法がありますが、なかなか万人に当てはまるものでもありません。
 この調査は一つの目安です。
 このようなものを参考にして、皆様の考える機会になればと思います。

 この方の場合は、充実した食事をしておられると思います。

まとめ
 68歳の女性。

骨密度は、腰61% 右大腿骨頸部77% 左大腿骨頸部80%と少なめです。

腰が少ないです。ただし、大腿骨の頸部は骨密度がある程度あるので、「骨減少状態」と判定します。

ただ、68歳と70歳以下なので、私としてはビス製剤などは、使うのを控える方向でいきたいと思っています(使ってはいけない、とか、使うのは間違い、というわけではありあません。私のポリシーとお考えください)。

 さらに、意を強く持てるのは、この患者さん、身体能力は大変よろしいです

 体の反りも36cmもある。このご年齢でこれだけ反らすことが出来るとは立派です。

 外見上もレントゲンを見ても背筋はしゃんとしています。また、握力も右22kg、左21kgもある。平均20を超えています。

 70歳の時に、握力が20kg以上あるということは、十分な体力をお持ちであり、長生きされる傾向があります。

 この度はエディロールを処方しました。



骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 





骨粗鬆症 当院ではこう診る15 50歳代の若年者の骨密度低下にどのように考え、どのように治療するのが良いのか

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函館山からの夜景 

今日のケースは50代の患者さん。

58歳の女性の方です。

(以下の数字は個人を特定されないよう若干変えています)

骨密度の結果は下図。



骨密度は徐々に低下しています。

身体能力を測定しました。
 当院では、患者さんの食事、運動、また、体の身体機能も見て、総合的に治療を組み立てております。

まず、握力はけっこうある方。このブログでもいつも述べていますが、70歳になった時に両方の握力の平均が20kg以上ある方は長生きする傾向があります。そのような調査があります。
 この方は現在58歳ですから、70歳まではまだまだ間がありますが、維持するように日々運動を頑張って欲しいものです。


 体の反り 42 cm

背筋力はすばらしい値です。

レントゲン写真をお示しします


レントゲンでも骨密度はある程度わかります。
骨密度が高くてもレントゲンで、「これはどうかな」という方もいらっしゃいます。
特に問題はありません。

次に、食事のチェックも行いました。


この方の1日の摂取量
カルシウム 241mg(基準 600-800 mg)
ビタミンD 0 IU (基準 300 IU以上)IU : 国際単位
ビタミンK 124μg (基準 200-300μg以上)

 食事に関しては実はいろいろ専門家の間でも意見が分かれています。
 カルシウムをたくさん摂っている人と、あまり摂っていない人の間で骨密度を比べた研究はたくさんありますが、結果は様々です。
 つまり、たくさん摂っているからと言って、骨密度が高く、あまり摂っていないと、「ショボーン」という単純なものではありません。
 その理由としては:
 食事をしても、それが骨になるまでには、長い道のりがあります。
 また、カルシウムにしてもからだのあちこちで、重要な働きをしています。
 もうひとつの理由としては、どのくらいカルシウムを摂っているのか、ビタミンDは、ビタミンKは、というこのようなアンケート調査の方法がありますが、なかなか万人に当てはまるものでもありません。
 この調査は一つの目安です。
 このようなものを参考にして、皆様の考える機会になればと思います。

まとめ
 骨密度は減っているが、50歳代の方なので、しばらくエビスタで治療していきたいと思います。運動をしっかりやっていくと良いかと思います。











骨粗鬆症 当院ではこう診る14 60代の比較的若年の患者さんをどう診ていくか

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青の池 

今日のケースは60代の患者さん。

68歳の女性の方です。

(以下の数字は個人を特定されないよう若干変えています)


 平成24年から診ておりますが、だんだん減少している患者さん。
 当院では、患者さんの食事、運動、また、体の身体機能も見て、総合的に治療を組み立てております。

 
握力はけっこうある方。このブログでもいつも述べていますが、70歳になった時に両方の握力の平均が20kg以上ある方は長生きする傾向があります。そのような調査があります。
 この方は現在68歳ですから、たぶん70歳になるときには20kg以上あると思います。

背筋力も十分です。背筋もまっすぐです。
姿勢を保つには、背筋力が最も大事です。
何かひとつ運動をするというのであれば、背筋の運動をお勧めします。

背筋はレントゲンでも、前かがみにはなっていません。


食事もきちんされています。
基準としては、カルシウムは1日600-800mg以上。
ビタミンD、ビタミンKは200-300以上摂りたいものです。

総合評価

平成24年から当院で骨粗鬆症の検査を行っていて、今回で6回目です。

年齢とともに骨密度は徐々に減っています。

骨密度も決して多い方ではありません。

世の中には骨密度を上げる薬はたくさんあります。

代表的で使いやすい薬はビスフォフファネート製剤ですが、私は60代の若い方にはあまり使いません。

この方は平成25年にビビアント(女性ホルモンを少し変えた薬)を使っておりましたが、他の医療機関からボナロンゼリーが出されました。2ヶ月くらい服用しましたが、当院に来院されたのでまた、ビビアントに戻しました。平成27年にビビアントで腹部の不快感が生じましたので、エディロールに変更しました。

 骨密度は下がり気味ですが、基礎体力もしっかりしてるので、70歳まではこの薬でいきたいと思います。70歳になって骨密度がさらに下がっていたら、その時には、ビスフォフファネート製剤を使用しようと思います。


骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次



症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 













骨粗鬆症 症例4 57歳女性 骨密度がビタミンDで増えてきた

 57歳女性

 骨粗鬆症の予防のために50台ですが早めに骨密度の検査を受けられた方です。
 骨密度は低めでした。






 知らないうちにこのようなこともありますから、とにかく自分の骨密度を知っておくことが必要と思います。
 骨密度が低いからといって、怖いことも悲観することもありません。
 50代のこの方に近々に何か嫌なことが起こるわけではありません。
 しかし、20年後、30年後の健康を見据えていろいろ対策を立てていくと宜しいのです。

 この方には27年9月からエディロール(活性型ビタミンD)をお飲みになっていただいておりますが、だんだん骨密度が上がっているのは喜ばしいことと思います。


 骨密度も大事ですが、体の身体機能、つまり運動も大事です。
 運動をして身体機能の維持に気を配りましょう。
 握力は今は十分です。これを維持し70歳の時に握力が平均20kg以上あると、かなり素晴らしいです。長命が期待できます。

 身体の反りがあまり出来いようです。背筋力が弱くなると前かがみになりがちになります。背筋力を重点的に鍛えると良いと思います。

 とにかくこれからであると思います。



骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 





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