2021年1月26日火曜日

骨粗鬆症 当院ではこう診る 症例12

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骨粗鬆症 ケースレーポート
(本人が特定されないよう、検査時期や骨密度を若干変えております)

90歳 女性

骨密度


数字(%)は20代、30代の女性の骨密度の平均を100%とした場合、本人の骨密度が何%であるかを示しています。

60%以下を骨粗鬆症。
60-70%を骨減少状態といい、「気をつけていきましょう」という評価です。

この方は平成13年から計測しております。

 年齢とともに少しずつ下がってきておりますが、90歳でこのくらいあれば、上等であると思います。

身体能力
 骨粗鬆症は骨密度だけではなく、身体能力、体力などからも判定しなければいけません。

握力を測定しました。 右 22kg     左 19kg
 70歳を超えた時点で平均が20k以上あれば上等です。
 この方は90歳でこのくらいあるのですから、すごいと思います。
 元気な方です。

片足で立っていただくと、11秒 立つことができました。
1分位立てると良いのですが、この年齢でこのくらい立てたら十分と思います。

臥位での体のソリを測定すると 6cm でした。



 これは背筋力をみています。
 高齢になって背中が丸まってくる大きな原因の一つが、背筋力の低下です。
 背筋力は常に鍛えておく必要があります。
 試しに床の上にうつぶせに寝て、体を反らしてみてください。
 意外とできないものではないか、と思います。
 若い時にはもっとできたのになあ、とお思いになるかもしれません。

食事 栄養
 当院では、食事の状況をアンケートをとって調査しております。
 骨に関する栄養状態をチェックするためです。

この方の1日摂取量
 カルシウム 869 mg  

 ビタミンD   403 IU(国際単位)

 ビタミンK 1000μg

 カルシウムは1日600-800mg 摂取すべきと推奨されています。
 ビタミンD, ビタミンKは、200-300以上摂取すべきと推奨されています。

 この方は大変良い食生活をされていると思います。
 カルシウムは1日600-800mg摂取することが勧められておりますが、なかなか摂っている方がおりません。

総合所見
 どのようにしたら、老後も元気でいられるか。
 このことは、皆様の課題と思います。
 実際に元気なご老人というのは、この方もそうですが、世の中でちょくちょく見るものです。私もこのような仕事をしているので、よくお会いいたします。

 元気なご老人に共通する特徴は2点です。
 つまり
 ⭕️筋力があること
   ⭕️食事をきちんとされていること 所謂、食の太い方

 と思います。

 まさにこの方です。
 握力は20kg以上あり、十分に食べておられます。

 骨密度はさすがに、大腿骨頚部が減少傾向にはありますが、今回は骨粗鬆症の薬をあえて服用する必要はないと判断しました。
 今後も半年に一度、計測し、骨密度が下がってくるようなら処方しようと思います。

骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 







現代英文訓読法 目次 (新渡戸稲造 武士道もここにあります)





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