2021年1月26日火曜日

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

 80歳の女性 薬を変えて骨密度の上昇に成功したケース 





 80歳にしては非常に元気な女性。

 身体能力が素晴らしいと思います。身体の反りがこのご年齢で23cmとはすごいな、と思います。背筋力があるので背筋もまっすぐです。何かひとつ筋力トレーニングをするとすれば、背筋のトレーニングをお勧めします。背筋が曲がってくるのは、背筋力が落ちるせいです。骨が潰れてももちろん曲がってきますが、骨が潰れていなくても背筋力が弱いと曲がってきます。背筋が曲がってくる原因としては、都市部に暮らす人ではこちらの方がずっと多いのです。
 握力も20kg以上あり素晴らしいと思います。70歳以上で握力が20kg以上の人は長生きである、というデータもあります。

 運動歴をお聞きするとあまり運動はしてきませんでしたが、身体能力は非常によろしいです。生まれ持ったものかもしれません。生まれ持ったものという要素を大きいのです。
 
  骨密度はもともとあまり良くありません。平成17年のデータをみるとあまり芳しいものではありません。ビスフォスファネート製剤を毎日1年くらい飲んでおり、少し骨が増えたようです。
 7年後に来られた時は多少上がっておりましたが、もう少し骨密度を増やす必要があると考え、月に一度の薬に変えました(ボノテオ錠)。また、ビタミンDのエディロールも併せて内服していただきました。
 すると骨密度は平成17年に比べて上昇しているので非常に良いと思います。これも薬のおかげと思います。骨密度は年齢とともに次第に下がっていくものなので、本来なら60%を割っていると思います。
 70%を下回ると骨折の危険性が高まると言われています。今は良い薬がたくさん出ていますので、骨粗鬆症を放っておかずにきちんと治療されるのがよろしいかと思います

 10mを何秒で歩くことができるのかを測定していますが、これは12秒以内であれば問題ないのですが、この方は9秒でした。
 道路の幅は約10m。これを12秒以上かかってしまうと信号が青の間に渡りきれない恐れが出てきて外出を厭うようになります。これも大事です。この方は問題がありません。このような点からも歩く運動はとても大事です。
 
 運動はあまりされない方ですが、もう少し運動もされた方が良いかと思います。
 血液検査は上等です。血液検査では骨の減るスピード、作るスピードをみています。
 正常範囲でした。

 薬もうまく効いているしこの調子でゆくとよろしいかと思います。

骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 





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