2024年10月10日木曜日

症例22 運動をしっかりやっていた人は大腿骨が丈夫である

症例22

73歳女性。骨密度測定を希望され来院。


腰椎はやや低めだが、大腿骨頸部の骨密度が多い。
腰椎が高く大腿骨頸部が低めよりも良い。
また、この方は「ワーズ」が高い。
「ワーズ」とは、大腿骨頚部は骨の分布が不均一である。もっとも疎らで弱い領域を「ワーズ」または「ワーズ三角」と呼んでいるのである。
 50歳以下であると、大腿骨頸部の骨密度とワーズの骨密度には差がない。しかし、50歳を超えるとだんだんワーズが低くなる。
 70歳代では、30-40%くらいとなる。
 しかし、この方は50%以上をキープしている。
 これは骨がしまっていることを意味する。

 実はワーズに関しては、定まった学説がない。
 その理由は測定者によって異なることがあるからである。
 当院は一人のレントゲン技師が測定しているのでそのようなことはない。
 故に、私はこの値にも注目して骨粗鬆症を診ている。

 ワーズの高い人は、運動を多くしている人が多い。
 この方も、中学、高校以来、継続して運動をされている。

 また、この方は、体の反りを測定すると35cmと良好である。

また、片足立ちは、52秒起立可能。
握力は右23kg、左20kgと良好。
(握力は70歳を過ぎても平均が20kg以上ある人は長生きをするという報告がある)
これらの身体機能が良いのも、ずっと生涯を通じて運動を続けてきた賜物であろう。


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 















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2024年8月17日土曜日

症例21 腰椎の骨密度40%と少ないが・・・

骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例21 腰椎の骨密度40%と少ないが・・・ 




70歳女性 骨密度を図ると上図のように少なめであった。
特に、腰椎が48%と少なめである。
これをどう見るかでいろいろな治療法を選択できる。

この方の運動歴もチェックした
全生涯を通じて、登山、ヨガ、気功、太極拳を盛んにおやりになっている。

 握力は、右17.5kg 左13.5kgとあまり多くある方ではない。
 しかし、背筋力、体のソリは33cmと非常に背筋力の強い方であった。

また、レントゲン写真もチェックした。

胸椎

腰椎

レントゲン写真で胸椎、腰椎は非常に整っている印象。
さすがにやや薄めのような感じがしないわけではない。
ただ整っている。これも生涯を通じた運動の賜物であろうと考える。

 骨密度が減っているので、治療にはいろいろなアプローチがる。
 骨密度を急速に増やす注射剤を選択するのも悪くはないだろう。
 しかし、骨が整っているので、今回は1週間製剤のベネット17.5mを処方した。
 今後も6ヶ月おきに測り、減少してくるようならば、注射剤を使うことも検討する予定である。









2024年7月8日月曜日

症例20 前腕で測るだけでは骨粗鬆症は分からない


60代前半の女性
 
他の病院で骨密度を測っており、低いのだ、と言われている患者さん。
今までのデータを見せていただいたが、3年間骨密度を測っているが、60%程度と確かに低い値であった(70%以下が骨粗鬆症)。

 ところで、この測定が、前腕部での測定であった。
 これでは正確なことは分からない。

 当院では、腰椎、右・左大腿骨頸部の3カ所で測っている。
 これが一番手間はかかるのだが、正確を期せるのである。
 これで一度計測してみようということになった。
 すると下図のようになった。


60代で60%だとすごく低い印象を受ける。 
ただ、実際の当院の計測では骨粗鬆症の手前の骨減少状態というべき状態で、それほど深刻ではない。

 前医から ビタミンD製剤のエディロールが処方されているので、引き続きその処方を継続することとした。
 これで十分だろう。

 あと、今まで積極的に運動をされていた人で、現在もヨガをされているので、引き続き励むようにとお伝えした。


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症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

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2024年5月31日金曜日

症例19 骨密度も骨格も素晴らしい72歳女性

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 ある時、72歳の女性の骨密度を測定したところ、素晴らしい値を得た。

 骨密度はほぼ20歳から30歳女性の平均がそれ以上。
 また、レントゲンを見ると骨格も若々しいのである。
 骨の状態も、生まれ持ったものが大きいのである。
 しかし、生まれ持ったものがなくてもがっかりすることはない。
 今や、骨密度の数字をあげる薬はいくらでもある。
 しかし、この数字より大事なものがある。
 それは身体機能である。
 敏捷に動ける身体作り
 姿勢が美しい背筋のピンと伸びた体作り
 転ばない身体作り
 それを可能にするのは日々の運動である。
 運動こそが大事であるのだ、ということを改めて皆様にお勧めしたい。

 





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症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

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2024年5月17日金曜日

症例18 栄養学の専門家の70代女性

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70代前半の女性。
他の病院で骨密度の低下を強く指摘され、注射剤を勧められた。
ビス製剤でも副作用が強く出たため、あまり注射までは気が進まないようであった。
しかし、その病院で、今のままであるとそのうちに寝たきりになる、と言われ、「ワラにもすがる思い」で当院を受診された、と。

 最近当院では実はこのようなケースが多い。
 注射剤を勧められたが、気が進まない、好まない、という患者さんが当院を訪れるケースが多い。

 ここ10年で多く出始めた注射剤は骨密度を上げる効果が強い。
 すぐれた薬であると思う。
 ただ、値段が高いし、注射を好まない方も多い。

 また、骨粗鬆症は10年、15年先の状況を考えながら治療するもの。
 あまり気の進まない治療を「すぐに」と強く勧めるのはいかがなものか。
 と私は考えている。

 骨密度を測った。




数字からは上の様に判断するので、この方は確かに低め。
ただ、握力は両方で20kg以上ある。
このような方は、元気に長生きできるというデータもある。
 骨密度だけではなく、いろいろな面から総合的に判断すべきであると思う。
 当院では基礎体力のチェック、食事の状態のチェックを必ず行っている。



片足立ちをしてみると、楽に1分間立てる人なのである。
このような方は、なかなか転ばない。



アンケートで栄養をチェックすると以下の様になった。
きっちりと食べていらっしゃる。
大学で栄養学を教えられているそうである。



姿勢もきちんとしている。
このような方は、すぐに骨折することはまずない様に思われる。
 骨折するのも運、不運があると思う。
 この肩に対しても望まないのであれば、注射はとりあえずしなくても構わないだろう、と申し上げた。
 エディロール内服でしばらく治療するものとするとした。


骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

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2024年4月9日火曜日

17  きちんと食事をしている88歳の女性

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70%以下が骨粗鬆症。70-80%が、骨粗鬆症の手前の骨減少状態。
骨密度は高いとは言えないが、88歳というご年齢を考えると、止むを得ないところもある。





ただ、姿勢は非常に良い方。
また、元気そうなお方である。


この方の食事内容である。
カルシウムは1日に600-800mg
ビタミンD, ビタミンKは、1日に200-300くらい摂れば良いと言われている。
この方は十分食事で摂っておられる。
しっかりと食事されている印象である。
このような方は皆お元気である。

しっかりと運動して、しっかり食事をされている方は、骨密度が多少低くても問題はないと思う。




2021年1月26日火曜日

骨粗鬆症 当院ではこう診る 16 何も運動しなくても身体能力の良い60代女性の場合

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層雲峡 黒岳展望台から  

今日のケースは60代後半患者さん。

58歳の女性の方です。

(以下の数字は個人を特定されないよう若干変えています)

骨密度

骨密度の結果は下図。





 腰は少ないですが、大腿骨頸部はある程度骨密度があります。

身体能力を測定しました。
 当院では、患者さんの食事、運動、また、体の身体機能も見て、総合的に治療を組み立てております。

握力
 右 22kg  左21kg でした。

まず、握力はけっこうある方。このブログでもいつも述べていますが、70歳になった時に両方の握力の平均が20kg以上ある方は長生きする傾向があります。そのような調査があります。
 この方は現在58歳ですから、70歳まではまだまだ間がありますが、維持するように日々運動を頑張って欲しいものです。

体の反り 背筋力


 体の反り 37 cm

背筋力は良い値です。
 この方は、運動はあまりされていない。いや、意識しては今までやっていなかったとのこと。50歳の頃から健康を意識して、散歩を少々しているとことのです。
 それにもかかわらず、体の筋力が充実していて、身体能力も高いです。
 生まれ持ったもの、と思います。
 骨密度も身体能力も生まれ持ったもの、というのは、かなり影響しているように思えます。

レントゲン写真

レントゲン写真をお示しします




レントゲンでも骨密度はある程度わかります。
骨密度が高くてもレントゲンで、「これはどうかな」という方もいらっしゃいます。
この方は特に問題はありません。
 胸椎の写真で、背骨がすっきりと伸びているのが印象的です。
 背筋力が強いと、「腰が曲がる」といういわゆる、「円背」を防ぐことができます。

食事

次に、食事のチェックも行いました。


この方の1日の摂取量
カルシウム 458mg(基準 600-800 mg)
ビタミンD 149 IU (基準 300 IU以上)IU : 国際単位
ビタミンK 839μg (基準 200-300μg以上)

 食事に関しては実はいろいろ専門家の間でも意見が分かれています。
 カルシウムをたくさん摂っている人と、あまり摂っていない人の間で骨密度を比べた研究はたくさんありますが、結果は様々です。
 つまり、たくさん摂っているからと言って、骨密度が高く、あまり摂っていないと、「ショボーン」という単純なものではありません。
 その理由としては:
 食事をしても、それが骨になるまでには、長い道のりがあります。
 また、カルシウムにしてもからだのあちこちで、重要な働きをしています。
 もうひとつの理由としては、どのくらいカルシウムを摂っているのか、ビタミンDは、ビタミンKは、というこのようなアンケート調査の方法がありますが、なかなか万人に当てはまるものでもありません。
 この調査は一つの目安です。
 このようなものを参考にして、皆様の考える機会になればと思います。

 この方の場合は、充実した食事をしておられると思います。

まとめ
 68歳の女性。

骨密度は、腰61% 右大腿骨頸部77% 左大腿骨頸部80%と少なめです。

腰が少ないです。ただし、大腿骨の頸部は骨密度がある程度あるので、「骨減少状態」と判定します。

ただ、68歳と70歳以下なので、私としてはビス製剤などは、使うのを控える方向でいきたいと思っています(使ってはいけない、とか、使うのは間違い、というわけではありあません。私のポリシーとお考えください)。

 さらに、意を強く持てるのは、この患者さん、身体能力は大変よろしいです

 体の反りも36cmもある。このご年齢でこれだけ反らすことが出来るとは立派です。

 外見上もレントゲンを見ても背筋はしゃんとしています。また、握力も右22kg、左21kgもある。平均20を超えています。

 70歳の時に、握力が20kg以上あるということは、十分な体力をお持ちであり、長生きされる傾向があります。

 この度はエディロールを処方しました。



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症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
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